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    淡路島、国生みの旅(後篇)

    ≪国生み神話≫
     今回の主目的、国生み神話。『古事記』によれば、伊邪那岐神(いざなきのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)のお二人が天と地の境にある「天浮橋(あめのうきはし)」に立ち、「天沼矛(あめのぬぼこ)」を地に降ろして「こをろ、こをろ」とかき回し矛を引き上げる。するとその先から塩が滴り落ちてそれが積み重なり、島となった。これが最初の国土、「淤能碁呂島(おのごろじま)」である。
     そして次に生れたのが「水蛭子(ひるこ)」と「淡島」。「水蛭子」は、子作りの際に、女神の伊邪那美神から先に声をかけた事が原因で不具の子に生まれたため、葦の舟に入れられオノゴロ島から流されてしまう(男尊女卑か)。西宮神社の伝説では、海に流された水蛭子は海を漂ったのち摂津国西浦(兵庫県西宮)の海岸に漂着。土地の人々は拾った蛭子神を大事に養い育て夷三郎(えびすさぶろう)と呼び、そののち夷三郎大明神、戎(えびす)大神として祀られるようになった、と伝えている。
     なお、阿波古事記では水蛭子は神ではなく、国土と考えている事を付け加えたい。

    それで、今回訪れた淡路島の北端には伝承が多い。
    まず、「神世七代(かみよななよ)」の神を祀っている神社からの見学だ。

    ≪岩屋(いわや)神社≫
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     岩屋港の山麓には三対山(岩屋城跡)と称される小山(標高130m)があり、当初、この地に鎮座してたのが、室町時代の大内義興による築城の際に、現在地に遷座。延喜式内社である。
     「神功皇后三韓征伐のおり、対岸の明石垂水の浜で風波にあわれ、渡海に難渋し、風待ちのため岩屋に着岸。三対山上の石屋明神に参拝し、戦勝を祈願され、「いざなぎやいざなみ渡る春の日にいかに石屋の神ならば神」と詠じ給うと、風波が止み、海上は静まった」という言い伝えがあるそうだ。
    祭神は国常立尊(くにとこたちのみこと)、伊弉諾尊、伊弉冉尊 。国生みの地らしき神社である。

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    なんと俳優の渡哲也さんの石灯籠があった。調べれば、島根県のお生まれながら、淡路市で育ったという。

    次に、お二人が生んだ最初の国土、おのごろ島へ見学

    <絵島>
    南淡の沼島も候補に挙がっているようであるが、淡路島北端にあるこの島を訪れた。岩屋港の一角に寄り添うようにあった。小さな島である。
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    向こうに小さく見えるのは<大和島>、この二島が対になっている。大和島は砂岩、礫(れき)岩から成る。各所に小型の海食風景が見られ、山上には風圧の影響で特異な風衝形をつくるイブキ群落(県指定文化財)があるそうだ。手前の大きな島が絵島。
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    絵島は、地質学的に珍しい約 2 千万年前の砂岩層が露出した小島で、島に渡ると、岩肌の侵食模様が特徴的で奇妙でもあり美しい。その堆積模様は、「矛の先から塩が滴り落ちてそれが積み重なり島になった」との表現が、いかにも当てはまるような雰囲気がする。

    さて、いよいよ<水蛭子(ひるこ)>が生まれます。

    ≪岩楠神社≫
    淡路島の北端、岩屋港の向かいの<恵比須神社>奥、三対山(岩屋城跡、岩屋神社の元鎮座地)の北壁崖下の洞窟に祀られた神社が<岩楠神社>。祭神は伊弉諾尊、伊弉冉尊の二柱の神と、その間に最初に生まれた、蛭子命(ひるこのみこと)。
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    麓には洞窟があってその中には古代の祭壇の趾がみえる。この洞窟は伊弉諾尊のかくれられた幽宮(かくりのみや)であるとも伝えられている。あるいは、水蛭子はここで生まれたのかもしれない。形が女陰に似てやしませんか?
    ≪恵比須神社≫
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    祭神は事代主命と蛭子命。入り口で岩楠神社の洞窟をあたかも目隠しするかのよう。 蛭子命はここで生まれ、不具のために前の岩屋の浜(松帆の浦)に流された由。

    ≪松帆之浦≫≪恵比須神社≫

    淡路島の最北端にあり、対岸が神戸。小石が多い「松帆之浦」海岸に立つと、激しい潮流で全身が潮にとりつつまれると云う。
    ところがこの地に、先程の<恵比須神社>が並んでいるのです。
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    「松帆之浦」の海岸から見たところ。

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     淡路島側から見れば対岸がすぐ神戸から西宮。この海岸から「水蛭子」は流されたのか・・・

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    「松帆の浦」の史跡と恵比須神社の社。

    古来、松帆は製塩が盛んな地でした。現在、「松帆の浦」には製塩工場はありませんが、水産加工場が集積しており、春の時期には「ちりめんの天日干し風景」を見ることができ、塩ゆでや釘煮の香ばしい匂いが辺り一面にたちこめます。
        (淡路島観光大全:淡路島観光協会HPより)

    結局、この地での解釈は

    「蛭子命は、体がうまくできあがっていなかったために、天の岩楠舟にのせられて、この松帆之浦から流されてしまった。その舟が流れ着いた場所が神戸の「西宮のエビスさん」、つまり西宮神社であり、 西宮のエビスさんの本家は岩屋である。」

    どうでしょう、淡路島の国生み・神生みの伝承は?まあ、神話のほんの一部なんですが、よく出来ていると思います。おのごろ島なんて、塩が積み重なったような感じだし、水蛭子が如何にも生まれた女陰だし。

    私は、おのごろ島はこの地ではないと思っているし、恵比須神は水蛭子ではなく事代主命だという阿波古事記に傾倒している。しかし、従来からの古事記の解釈も伝承から考えると、まんざらでもない。古事記を想う、いやはや、楽しい。

    テーマ : 神社仏閣
    ジャンル : 学問・文化・芸術

    tag : 水蛭子 蛭子命 恵比須

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    オノゴロ島

     島根県の安来は古事記では根之堅洲国というところでスサノオの活躍地ですね。正確には十神島根之堅洲国となりますが長いので古事記では省略されています。
     この省略された、十神島というのは出雲国風土記では砥神島という陸繋島であったであろう現在の安来市の十神山です。この島は安来市のシンボルと見いわれ、きれいな円錐形をした小山ですが、古代の人たちの崇敬の島だったらしいです。この十神というのはイザナギ・イザナミを含むそれ以前の時代を、
    神世といってその後の神代の時代と分けて表現されますが、神世七代には十の神がおりそれからつけられた神聖な島だったのだと思われます。ここがオノゴロ(淤能碁呂)島と考えると、近くにイザナミの神陵地もあることから合理的なのではと思われます。
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    香川秀夫

    Author:香川秀夫
    【年齢】 ウーン、若いつもり・・・
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