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    鬼学事始め

    浪速古代史研究会「ウガネット」に参加してちょうど1年になります。

    毎月末1回、中之島にある中央公会堂の会議室にて勉強会をやってるのは以前、記事にしました。
    昨年はバンド活動の節目だったので、あまり出席出来てないので、今年は気合いが入っているのです。
    ちなみに昨年の私の発表演題は

    1.天孫降臨の地と久米一族の調査研究
    2.『勘注系図』から探る、欠史八代の実年代
    3.初期天皇后妃の謎

    さて、今月のテーマは「鬼」。節分ですからね。
    さっそく下調べのため書籍を購入しました。今日は触りを。

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    この著書では鬼の文化史として「鬼学ことはじめ」でその概要が軽く触れらています。

    まず、中国です。

    古代中国では風葬といって、死者を野辺に晒し、肉を腐らせて白骨化させその頭骸骨を祀ったそうです。
    死者を白骨の意から「魄(はく)」(魂の器であり魂の象徴でもあるの意)となり、その魂魄が神としての鬼になると考えたようです。
    「鬼」の文字は、大きな頭をして足もと定かでない亡霊の象徴であり、「鬼」の上の旁の原字「由(ゆう)」は字音から「幽」(ほのかでよく見えない、死者の世界の意)につながるといいます。
    この事は今日でも人が死ぬことを意味する「鬼籍に入る」「鬼籍簿に書く」などという言葉が残っている事から何となく理解できますね。

    古代中国の人々は死者を鬼神として現世から封印するように丁重に葬ったが、それでもその死者から恨みを持たれる人々は、現世に怨念を残した死者の怨霊が復讐にくると信じて恐れたらしい。つまり中国の鬼は「復讐鬼」。

    一方、日本では、

    復讐鬼が仏教思想と習合して、具体的なな造形となり仏教文化とともに日本に流入して来たのです。

    仏教思想との習合により鬼は冥界の恐ろしい異形となり、悪行を犯した者を懲らしめる地獄の鬼のイメージに定着したのです。つまり鬼は人を襲ったり、食べたりする、人間界を脅かす冥界の邪神・妖怪として伝わって来たのです。

    「鬼」の語源は、

    日本最初の漢和辞書である『倭名類聚鈔』(わみょうるいじゅうしょう)931~938年、 この注釈書『箋注倭名類聚鈔』には

    「於迩者隠音之訛也 鬼物隠而不欲顕形・・・唐韻曰呉人曰鬼」

    鬼はこの世から隠れたものであるから「隠(おん)」といい、「鬼(おに)」「鬼(き)」の語源であるとしているのです。

    中国最古の部首別字書『説文解字』
    「隠」の字は、「山がそびえて見えない」の意。
    山を死者の葬られた古代墳丘と想像すれば、山は「隠の国」
    「隠の国=墳丘」は現世の人々には見えない死者のたちの「黄泉の国」である。隠の国=鬼の国が語源の根拠の一つ。

    今日の言い回しの例
    死者を尊敬語で表現するときに「お隠れになった」といい、これも隠の国(黄泉の国)に旅立つ意味に使われていますから、隠の国=黄泉の国=鬼の国はあながちあやまりではないでしょう。

    さて、鬼の具体的造形です。

    鬼の造形はインドに源を発するようです。そして中国には見るべきものは少ないそうです。
    中国の古典「山海経」には様々な人に似た妖怪が登場するが、それはあくまで妖怪であって、仏教思想における地獄の獄卒としての「鬼」には似ていない。
    今日我々が目にする鬼の造形は、日本独自に想像された要素がかなり強いといえましょう。
    つまり、浄土宗布教による極楽浄土と恐ろしい地獄の様相が広く流布され、鬼のイメージが人々の中に定着していったのです。

    伝来した鬼とは別に日本古代の鬼もあったようです。

    それは古代の政権、朝廷に反抗するする勢力を鬼に見立て表現していたのです。「日本書紀」には「鬼」について記述されていますし。大和朝廷に服従しない勢力を「邪神(あしきかみ)」や「姦鬼(かしましきおに)」と悪名をつけて表現しています。これらの勢力は「熊襲」「隼人」「土蜘蛛」「蝦夷」などと蔑称され、かつ「鬼」とよばれたらしいのです。

    この日本古来の鬼は伝来の復讐鬼や地獄の鬼とは違い、強い者のイメージをもっていた事から肯定的な表現にも使われています。たとえば、「鬼武者」「鬼才」「鬼神のごとき働き」など。


    以上、鬼学のほんの触りです。
    私は「鬼と天皇」のテーマで話をまとめようかと考えていますが、どうなりますやら。


    参考:『鬼ともののけの文化史』 笹間良彦著 遊子館発行

    テーマ : 歴史大好き!
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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    プロフィール

    香川秀夫

    Author:香川秀夫
    【年齢】 ウーン、若いつもり・・・
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    【誕生日】 桜咲く頃
    【趣味・興味】
    テナーサックスを少々、最近はアルトも。
     『長屋ほーんず』に所属
      (サックスだけのビッグバンド)
    音楽(ジャズ・スウィング系)
    古代史(とくに古事記以前)
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